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最低賃金はどう決まる?毎年10月に上がる仕組みと正社員にも関係する理由

求人アプリを眺めていて、手が止まりました。近所のコンビニの時給が、自分が学生のころのほぼ1.5倍になっている。「最低賃金、また上がったのか」と思うと同時に、正社員の自分にはあまり関係ない話だと流しかけて——ふと気づいたんです。本当に関係ないのか?

結論から言うと、大アリでした。最低賃金は「アルバイトの話」ではなく、働くすべての人の給料の「床」の話です。そして床が上がると、建物全体が持ち上がります。

目次

最低賃金は、こうやって決まる

最低賃金は、毎年ほぼ同じスケジュールで見直されます。夏に国の審議会(経営側・労働側・中立の学者などで構成)が「今年はこれくらい上げましょう」という目安を示し、それを受けて都道府県ごとの審議会が地域の実情を踏まえて金額を決定。そして10月ごろに新しい最低賃金が発効します。

あなたの県の時給が毎年秋に変わるのは、この夏の議論の結果です。ちなみに全国の加重平均は2023年度に初めて1,000円を超えました。近年は年3〜5%前後という、かつてない速いペースの引き上げが続いています(最新の金額は厚生労働省のサイトで確認できます)。

最低賃金が決まるまでの1年
最低賃金が決まるまでの1年

なぜこんなに上げているのか

物価が上がっているから、だけではありません。いま最低賃金は、「働く貧困を防ぐセーフティネット」から一歩踏み込んで、経済全体の賃金を底上げする政策の道具として使われ始めています。企業に「賃上げしないと人を雇えない」状況を制度側から作る。実質賃金がなかなか上がらない日本で、政府が直接動かせる数少ないレバーが最低賃金なんです。

ここが今日の核心です

最低賃金の引き上げは、最低賃金で働く人「だけ」の話ではありません。床が上がるとどうなるか。時給1,100円のパートさんの近くで働く時給1,250円の先輩は、差が縮まると「割に合わない」と感じます。企業は先輩の時給も上げざるを得ない。こうして賃金の階段は下から順に押し上げられ、新人の初任給、ひいては賃金表全体に波及していきます。

つまり10月の改定ニュースは、「自分の給料が来年どう動くか」の先行指標として読める。パートやアルバイトの方はもちろん、正社員の方も「自分の時給換算」と床の距離を測ってみる価値があります。

まなびちゃん

自分の時給換算って、どうやって出すの? 私、月給だから分からない……。
経済太郎

ざっくりなら「月給÷月の労働時間」。たとえば月給24万円で月160時間働くなら1,500円だ(残業代や手当を除いた概算だよ)。この数字と自分の県の最低賃金の距離が、床からの高さってわけ。

企業側から見ると、話は単純ではない

一方で、払う側の視点も忘れたくありません。人件費の上昇は、特に中小企業には重い負担です。吸収できなければ価格転嫁(値上げ)するか、雇う人数や営業時間を減らすか。最低賃金の引き上げペースをめぐって経営側と労働側が毎年真剣にぶつかるのは、どちらの言い分にも実態があるからです。「上げれば上げるほど良い」と単純に言えないところに、この制度の難しさがあります。

で、私たちはどうすればいいのか

①秋の改定ニュースで「自分の県の新しい金額」を確認する。②自分の時給換算を出して、床からの距離を測る。距離が縮まっているなら、それは待遇交渉や働き方を考える材料になります。③パートで働く方は、時給アップで年収が社会保険の加入ラインをまたぐ場合の手取りの変化に注意。時給が上がったのに損した気分になる「壁」問題は、事前に知っていれば設計できます。

💬 経済太郎の本音

私は営業の仕事で中小の製造業さんとよく話します。「最低賃金が上がって苦しい」は本音です。でも同時に、時給を上げた会社から順に人が集まり、定着していくのも見てきました。賃上げは負担かコストか——現場を見る限り、私は「払える会社になるための投資」と捉える側に立ちたいと思っています。きれいごとに聞こえても、です。

よくある質問

Q. 最低賃金より低い時給で働いているかも。どうすれば?
A. 最低賃金は法律上の強制力があり、下回る契約はその部分が無効です。都道府県労働局や労働基準監督署に相談できます。まずは自分の県の最低賃金額を厚生労働省のサイトで確認してください。

Q. 最低賃金は全国同じではないのですか?
A. 都道府県ごとに違います。物価や賃金水準の地域差を反映しているためですが、近年は地域間の差を縮める方向の調整も議論されています。

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