「インフレが進んでいます」「デフレ脱却」——ニュースで何度も聞く言葉ですが、そもそもインフレとデフレはどちらが怖いのでしょうか。この記事では、物価が動く仕組みと、それぞれの怖さをやさしく整理します。
目次
インフレとは「物価が上がり続けること」
インフレ(インフレーション)とは、モノやサービスの値段が全体的に、継続して上がることです。
大事なのは、これを裏返すと「お金の価値が下がっている」という意味になることです。同じ1万円で買えるものが減っていくなら、1万円というお金の力が弱くなっている、と言い換えられます。
インフレには2種類ある
インフレは、原因によって大きく2つに分けられます。
- 需要が引っ張るインフレ: 景気が良く、みんなが「買いたい」状態。モノが売れるから値段が上がり、企業が儲かり、賃金も上がりやすい
- コストが押し上げるインフレ: 原材料やエネルギーの値段、輸入品の価格が上がって、企業が値上げせざるを得ない状態
同じ「物価上昇」でも、性質はまったく違います。前者は経済の体温が上がっている状態、後者は外から熱を押し付けられている状態です。円安によって輸入品が高くなって起きる物価上昇は、後者の典型です。
デフレとは「物価が下がり続けること」
デフレ(デフレーション)はインフレの逆で、物価が全体的に下がり続けることです。
「値段が下がるなら嬉しいのでは?」と思うかもしれません。ところが、デフレには特有の悪循環があります。
- モノの値段が下がる
- 企業の売上と利益が減る
- 賃金が上がらない・雇用が減る
- 家計がお金を使わなくなる
- モノがさらに売れず、また値段が下がる
この循環は「デフレスパイラル」と呼ばれます。一度はまると抜け出しにくいことが、デフレの怖さです。また、「待てばもっと安くなる」という心理が消費を先送りさせるため、経済全体の活力が落ちていきます。
結局、どちらが怖いのか
どちらも行き過ぎれば怖い、というのが正直な答えです。
- 急激なインフレ: 賃金が追いつかなければ、生活は実質的に苦しくなる
- 慢性的なデフレ: 経済の縮小が続き、賃金も雇用も増えにくくなる
ポイントは、物価だけでなく賃金とセットで見ることです。物価が緩やかに上がり、それ以上に賃金が上がる状態が、多くの国の中央銀行が目指す姿とされています。ニュースで物価上昇率を見かけたら、「賃金は追いついているか?」という視点で見ると、景色が変わります。
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